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2020.05.06

映画をつくるつもりで

ゴールデンウィークで時間があったので久しぶりに映画を何本か見た。「CALL ME BY YOUR NAME」2回め。同性である分余計に、どうしようもない切なさとか愛しさが冷静に見えてくる。全部美しくて全部生々しい。「永い言い訳」一般的に善いとされている部分と一般的に悪とされている部分の両方を人は持っていると毎回言ってくれる監督。「愛がなんだ」なんだっつーんだ。俺もきっと気持ち悪い。

映画ってすごい。美意識やこだわりをいくつも重ねて物語(世界観)を作っている。編集、画角、時間、音楽、セリフ、言い方、表情、風景、天気、セット、小道具、衣装、質感、タイトル・・。すさまじいこだわりの積み重ね。
だからこそ観客は物語に入っていける。その数時間その世界に浸っていられる。ものによってはその後の数日間、余韻が続いていたりする。その世界から抜けられない、抜け出したくない。子供の頃の宮崎アニメがそうでした。2、3日ぼーっとしてました。なぜ私はパズーじゃないのだろう、と。笑
それぐらい映画には力があるのだと思うけど、それはそこに実際に、物語が存在しているから。

デザイン(=ブランディング)もそうあれたらいいなあと思う。デザインは世界観(物語)をつくること。ロゴだけつくればいいわけではない。名刺も、チラシも、パッケージも、看板も、立ち居振る舞いも、すべてにこだわって、それを積み重ねていくから、世界観(物語)ができる。
素晴らしい商品ができたとしてもパッケージやPOP、売り場がださいと、観客は醒めてしまう。いいロゴができたとしても内装やメニュー、接客がイメージと違っていたら、観客は醒めてしまう。物語に入っていけない。すべてにこだわって、それを積みかさてねいくことでしか、世界観(物語)はできない。

ブランドを作ろうとするより、そういう映画をつくるんだと考える方が分かりやすいのかもしれないですね〜。テーマ曲とか作ったりして。