Indigo Coffee Roasters
枚方市駅の高架下に昨年できた
Indigo Coffee Roastersのロゴのお話。虹の理由。
Indigo Coffee Roastersはスペシャルティコーヒーの豆を仕入れ、自家焙煎して提供するカフェ。
スペシャルティコーヒーというのはカッピング審査で80点以上を獲得するなど
質感・風味・特性・バランスに至る全てにおいてトップクオリティな豆のことを言います。
さらに、生産地から生産処理、流通経路、ロースターまでのトレーサビリティが確認できるもののこと。
トレーサビリティとは、製品の生産から消費までの過程を追跡できる仕組みや状態のことで
つまり、誰がどこでどうやって作った豆かということが分かるということで、
簡単にスペシャルティコーヒーとか言うてますが、これって結構すごいことですよね。
全てがオープンになっているからこそ生産者も変なことはできない。
安心だし、安全だし、誠実。つまりそういう豆を扱っているということです。
ただ、そういう豆を扱っているお店は割とあって
いくつかコーヒーやさんのお仕事はしておりますが、どこもスペシャルティコーヒーを扱っている。
(当然努力や愛があるからこそ、できることだと思いますが)
今の世の中、いい素材やおいしいということは前提で当たり前で
ここで差別化できないから、飲食店をされる方は大変だなあと思うのです。
Indigo Coffe Roastersの店主は
大企業を脱サラしてコーヒーの道へ。
既にここまで、間借りでカフェ営業や、オンラインで豆販売などを
されていて、ファンもついていました。
ロゴやパッケージデザインなどは自家製でされていたのですが、
実店舗をもつこのタイミングで、ロゴやパッケージを一新されるということで、
お声がけいただきました。
お店には以前から使っているスローガンがあって、
それは“Every day is a good day”=「日々是好日」
これからもこの言葉を継続して使っていきたいということでした。
とてもいい言葉ですし、コーヒーを飲む度にこの言葉を
頭に浮かべてくれたらとても前向きなメッセージも伝わりますし、
この言葉自体がお店をあらわす言葉なんだと思いました。
どうにかこの言葉をイメージさせるようなマークが
つくれたらいいなと考えました。
店主は物静かで穏やかな印象なのですが、
お話をお聞きしていくと、
思ったよりも明るく開放的な方で
イタリアやハワイなんかの陽気な空気感や
大自然もお好きとのこと。
「真面目で素朴で・・」とか、なんとなくそう思っていたのですが、
なんだかハッピーで明るいマインドを
持っている人なんだなと思いました。
ロゴマークを作る時に、
個人商店のお店さんは特にですが
店主のお人柄や、雰囲気、好きなものなんかが表現されれば
お店と人と、違和感のない、その人らしい、
そして愛着をもてるお店ができると思っていて、
そういった意味で、店主さん自体を知るためにも
制作に取り掛かる前にじっくりと
お話することが僕にとってはとても大切な工程で、
今回もコーヒー屋をはじめる経緯なんかも含めて、
たくさんお話を聞かせていただきました。
ロゴは人それぞれ、いろんな作り方や考え方があると思いますが
今回は何をモチーフにしようかと考えていきました。
スローガンである、“Every day is a good day”
店名である、Indigo(藍色)の色のイメージ
藍色に染められたデニムが経年変化によって味わいが増すようなイメージ
そして自然が好き、明るく開放的な空気が好きということ
なにか、これらを表現できるもモチーフはないものかと考えていきました。
青(藍)い鳥や大きな木、地層、シンプルにコーヒー豆なんかも考えましたが、
これだ!と思えたのが虹でした。
(すぐに思いつきそうですが、そんなわけもなく
日々是好日とはいかず、日々悶々と、虹にたどり着くには
割と時間がかかりました。)
虹は雨あがりに起こる自然現象。
七色でカラフル。明るくハッピーなイメージがある。
虹を見た時、わたしたちの心は晴れやかに、テンションがあがります。
でもそれは雨がふらなければ見れなかったモノ。
雨がふるから虹を見ることができる。
そう考えると雨だって悪くない。
“Every day is a good day”=「日々是好日」は
どんな1日だって、かけがえのない1日で
いいことがあろうが嫌なことがあろうが
そのままを良しとして受け入れるという考え方です。
その言葉や、店主の人柄をあらわすモチーフとして
虹はぴったりだなと考えたのです。
ただひとつ問題があって、
作りたいロゴのイメージはカッコよくて高級感があって
シャープな印象を持ったもの。
(このイメージは最初に店主から伝えられていました。)
虹は先にも書きましたが、七色、カラフルでハッピー、やわらかな曲線
そんなイメージがまとわりついているので
どうしてもかわいくなったりゆるくなったりしてしまう。
なので、これをかっこよくシンプルにすることにとても時間がかかったのですが、
なんとかかんとか良いカタチに落とし込めたような気がしています。
Indigoという店名のおかげで、藍色だけに絞れたのも良かったのかもしれません。
最終的なカタチはコーヒー豆の中に虹がかかっているというもの。
いくつかご提案したのですが、この案に決定しました。
虹の持つイメージを含みながらも
かっこいいシンプルなロゴマークになったと思っています。
「Every day is a good day」「店主の人柄・好きなもの」
「インディゴ(藍色)」「かっこいい世界観」
これらのキーワード(ルールや縛りともいえるかもしれませんね)が
あったからできたものです。
書体は知的でセンスの良さそうな印象の
Arnoをベースに手を加えています。
お店はご夫婦でされていて
とっても美味しいコーヒーを丁寧に淹れてくれます。
枚方駅に行かれる方はぜひ、覗いてみてください。
パッケージや、カップにもロゴを展開していますので
それもチェックしてみてください。
大きなスペースではありませんが、
たくさん光の入る開放的な空間で
心地のいい時間を過ごせると思います。
Indeigo Coffee Roasters
大阪府枚方市岡東町19-20 エル枚方 1F
19-20, Okahigashicho, Hirakata, Osaka 573-0032
https://www.instagram.com/indigo_coffee_roasters/
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